木もれびコラム
「肺炎球菌ワクチンって何?」
~高齢者におすすめの予防接種~
● 肺炎球菌ってどんな菌?
肺炎球菌(はいえんきゅうきん)は、肺炎・中耳炎・髄膜炎などを引き起こす細菌です。
日本では、肺炎が死亡原因の上位となっており、その多くが肺炎球菌によるものと言われています。
特に高齢者では、肺炎に加えて菌血症(血液の感染)や髄膜炎などの重い病気につながることがあり、命にかかわることもあります。
● ワクチンで予防できます
肺炎球菌感染症は、ワクチン接種によって感染を予防し重症化のリスクを下げることが可能です。
現在、日本では主に以下のワクチンが使用されています。
① PPSV23(莢膜多糖体ワクチン)商品名:ニューモバックス
- 65歳の1年間を対象にした定期接種(公費助成あり)
- 肺炎球菌による肺炎の発症を40~60%予防
- ただし、効果は年々弱まるといわれています
② PCV15、PCV20(結合型ワクチン) 商品名:バクニュバンス(PCV15)、プレベナー20(PCV20)
- 免疫の記憶が残りやすく、長期的で安定した免疫効果
- ニューモバックスを接種した方は、1年以上あけて接種可能
- 併用することで免疫増強(ブースター効果)が期待(PCV→PPSVの場合のみ)
- 任意接種(自費)
③ PCV21(結合型ワクチン)商品名:キャップバックス
- 菌血症や髄膜炎の原因となる肺炎球菌血清型を80%をカバーする最新の結合型ワクチン
- 免疫の記憶が残りやすく、長期的で安定した免疫効果
- ニューモバックスを接種した方は、1年以上あけて接種可能
- 任意接種(自費)
● なぜワクチン接種が進まないの?
肺炎球菌ワクチンの接種率は、高齢者でも20〜40%程度と低めです。
その理由として、
- 定期接種は65歳時の1回のみであることが知られていない
- 結合型ワクチン(プレベナー・キャップバックス)は自費
- 「肺炎は自分には関係ない」と思われがち
しかし、高齢者の侵襲性肺炎球菌感染症は決して稀ではなく、発症すれば重症化・死亡リスクが高い病気です。
● 他の感染症との関連(新型コロナやインフルエンザ)
- コロナ禍では感染対策により肺炎球菌感染も一時的に減少
- 2023年以降、高齢者の肺炎球菌感染は再び増加傾向
- インフルエンザ後の肺炎球菌感染は重症化・死亡リスクが上昇
→ 特に高齢者・男性では注意が必要と言われています。
● まとめ:ワクチン接種は「元気なうちに」
- 肺炎球菌ワクチンは、高齢者の命を守る大切なワクチンです
- 接種することで、肺炎や重症感染症のリスクを大きく下げられます
- 定期接種対象の方は市町村から送付される接種券を忘れずにご確認ください。
より高い予防効果を希望される方は、キャップバックスなどの自費接種もご検討ください。
当院では、肺炎球菌ワクチンのご相談・接種を受け付けております。
詳しくは医師またはスタッフまで、お気軽にご相談ください。