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木もれびコラム

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冬に多い血管の病気~心不全、脳卒中、心筋梗塞、大動脈解離~

寒さが厳しくなるこの季節、皆さまの体調はいかがでしょうか。
冬は、心臓や血管に関わる重篤な病気の発症が増える時期です。今回は、冬に注意したい血管の病気と、その予防法についてお話します。

冬に血管の病気が増える理由

研究や統計から、冬は以下のような病気の発症が増えます。

✔ 心不全
✔ 脳卒中 (脳出血や、心臓から血の塊が飛んで起こる脳梗塞)
✔ 心筋梗塞
✔ 大動脈解離

寒さによる血圧上昇家の中の温度差や日内の気温変化のストレスインフルエンザなどの感染症による炎症など様々の要因が関係していると考えられています。

冬に気をつけたいこと(代表的なものを記載しています)

1. 血圧管理

冬は血圧が上がりやすく、心臓や血管に負担がかかります。
2021年のSPRINT試験では、高血圧の方を対象に通常の降圧(収縮期血圧140mmHg未満)群と比較して、血圧を厳しく管理した群(収縮期血圧120mmHg未満)で、心筋梗塞や心不全の発症が少ないことが報告されています。

冬場は特に血圧管理に注意し、薬や生活習慣で安定させることが大切です。

2. 運動

運動は血圧の安定だけでなく、気分の改善や心臓病のある方の生活の質(QOL)の向上にも役立ちます。

  • 有酸素運動(ウォーキングなど)
  • 軽めの筋力トレーニング(動的筋トレ、等尺性トレーニング)

 ※動的筋トレ:関節を曲げて行うトレーニング、等尺性トレーニング:関節を曲げずに行う筋トレ

日中の暖かい時間帯に行うと、血圧の急上昇を避けやすくなります。

3. 自宅内での急激な温度変化を避ける

家の中の寒さや部屋ごとの温度差は血圧を上げ、心臓や脳の病気のリスクを高めることが分かっています。特に朝の冷え込み時や入浴時には注意が必要です。

  • 具体的な対策例:
✔ 室温はなるべく一定に保つ(最低でも18℃を目安に)
✔ 居室だけでなく脱衣所やトイレも暖かくする
✔ 小型暖房の活用や、入浴前のかけ湯で急激な温度変化を避ける
✔ 冬の運動は、朝・晩の冷え込みが強い時間帯を避け、日中に行う

まとめ

冬は、寒さや室内の温度差、感染症などが重なり、心臓や血管の病気が起こりやすい季節です。
血圧管理や運動、室内温度の工夫など、日常生活でできる予防がとても重要です。
気になる症状や不安がある場合は、早めにクリニックにご相談ください。