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木もれびコラム

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家庭血圧測定 ~高血圧管理~

● 家庭血圧測定の重要性 〜高血圧管理の新しい基準〜

血圧は一日の中でも大きく変動し、季節によっても上下します。病院やクリニックで測ると緊張して血圧が高く出ることがあり、これは「白衣高血圧」と呼ばれます。

一方で、自宅で測る家庭血圧は、診察室での血圧よりも心臓病や脳卒中などのリスクとより強く関係していることが、多くの研究で明らかになっています。
そのため、最近では「病院で測る血圧」よりも「家庭で測る血圧」を重視した管理が推奨されています。

高血圧治療ガイドライン2025でも家庭血圧が重視されています

6年ぶりに改訂された日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2025」では、家庭血圧測定の重要性がさらに強調されました。

降圧目標は次のように明確に区別されています。

✔ 診察室血圧:130/80 mmHg未満

✔ 家庭血圧:125/75 mmHg未満

このように、家庭血圧はより厳格な目標値が設定されています。つまり、普段の生活の中で測る血圧こそが、実際の健康リスクを正しく反映するという考え方です。

朝晩2回の測定が理想ですが、まずは「朝の測定」から

家庭血圧は朝と晩の1日2回測定することが推奨されています。
ただし、「朝しか測れない」「続けるのが難しい」と感じる方も多いと思います。

そんな方に参考になるのが、日本で行われた大規模研究「HOMED-BP試験(2012年発表)」です。
この研究では、朝の家庭血圧が高いほど心筋梗塞・脳卒中・心血管死のリスクが高くなることが示されました。
さらに、治療中の朝の血圧が131mmHg以下であれば、5年間の心血管イベントリスクは1%以下と報告されています。

忙しい方でも、まずは朝の血圧測定を習慣にしてみましょう。
季節の変わり目や寒い時期は特に血圧が上がりやすいため、日々の変化を知ることがとても大切です。

(※朝のみの測定を推奨しているわけではありません。可能であれば朝晩2回の測定が理想です。)

まとめ

  • 家庭血圧は、診察室血圧よりも心血管リスクと密接に関係しています。
  • 高血圧治療ガイドライン2025では、家庭血圧の目標値は125/75 mmHg未満とされています。
  • 血圧が高めの方は、朝晩の家庭血圧測定(難しい方はまず朝の測定)から始め、継続的な血圧管理を心がけましょう。

家庭血圧の測定は、高血圧治療と心臓病・脳卒中予防の第一歩です。
ご自身の血圧の傾向を知ることで、生活習慣の見直しや治療方針の改善につながります。

木もれび循環器内科クリニックの取り組み

木もれび循環器内科クリニックでは、循環器内科専門医による評価のもと、患者さん一人ひとりの生活スタイルに合わせた高血圧治療と心臓病予防を行っています。

家庭血圧の測定方法や記録の仕方、適切な降圧治療についてもサポートいたします。
血圧や動悸、息切れなどが気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。