木もれびコラム
心不全のパンデミックとは
心疾患の年次別死亡率
心疾患の年次別死亡率をみると、急性心筋梗塞は減少傾向ですが、心不全患者は上昇傾向にあります(令和4年 厚生労働省 人口動態統計月報年計の概況)。

心不全は年齢とともに罹患する可能性が高くなり、50歳代で1%、80歳以上では10人に一人が心不全になることが報告されています。
本邦では、心不全の罹患率が120万人と言われ、2030年には130万人に達すると推計されています。
主な死因の構成割合
本邦の主要死因別に見た死亡率年次推移(いわゆる死因)は、悪性新生物(いわゆる癌)が最も多く(人口10万人あたり約316人)、次いで心疾患(人口10万人あたり約190人)となっています。
例えば、肺がんなら呼吸器科、消化管の癌なら消化器科、血液の癌なら血液内科などを合計したものであり、いかに心疾患(心不全)で亡くなる方が多いことが分かるかと思います。

心不全は命に関わるだけでなく、高齢な方が心不全で入院してしまうと、退院してからも活動量の低下、食事量減少など、日常生活に支障が出たり、介護者の負担が増えたり多くの問題を抱えています(いわゆるQOL:Quality of Lifeが低下する)。
心不全の方は、高齢な方が多く、手術やお薬の治療だけでなく、運動療法や食事なども総合的な治療が重要になります。
今後、当コラムにて心臓リハビリテーション(通称、心リハ)についても解説していきたいと思っています。