木もれびコラム
心筋梗塞とは?原因・症状・死亡率を循環器内科医が解説
心筋梗塞は冠動脈が突然詰まることで発症する命に関わる病気です。日本の死亡率や主な原因、早期発見と予防について解説します。
●心臓と血管の基本
図のように、心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割を担っています。

●冠動脈とは
その心臓自身に酸素と栄養を送る血管が冠動脈になります。冠動脈は、右冠動脈(緑)、左前下行枝(赤)、左回旋枝(黄色)の3本からなっています。

●なぜ心筋梗塞・狭心症が起こるのか
冠動脈の動脈硬化は、心筋梗塞や狭心症の直接的な原因となる非常に重要な病気です。一つひとつの危険因子は小さくても、複数が重なることでリスクは跳ね上がります。
●冠動脈硬化を進行させる主な危険因子
・高血圧
リスク:約1.2〜6.9倍
血圧が高い状態が続くと、血管の内側にストレスがかかり、動脈硬化が進行しやすくなります。
特に若い年代ほど相対的なリスク上昇が大きいことが知られており、「まだ若いから大丈夫」、は気を付けましょう。
・糖尿病
リスク:約2〜4倍
血糖が高い状態は血管を慢性的に傷つけ、動脈硬化を加速させます。糖尿病の方は症状がなくても冠動脈疾患が進行していることが多いため、注意が必要です。
・脂質異常症(高LDLコレステロールなど)
リスク:約2.2〜2.8倍
LDLコレステロールが高いと、血管の壁にコレステロールがたまり、プラーク(脂の塊)が形成されます。自覚症状がほとんどないため、健診での指摘が重要です。
・喫煙
リスク:1日1本でも約1.65倍
喫煙は血管を収縮させ、動脈硬化を一気に進めます。「本数が少ないから安全」ということはなく、少量喫煙でもリスクは上昇すると言われています。
・家族歴
家族性高コレステロール血症:リスク約13倍
血縁者に若くして心筋梗塞を起こした方がいる場合、遺伝的な要因が関与している可能性があります。特に家族性高コレステロール血症(FH)は、早期発見・早期治療が極めて重要です。
・加齢
加齢とともに動脈は自然に硬くなります。ただし、加齢だけが原因ではなく、生活習慣や基礎疾患の管理で進行を遅らせることが可能です。
・肥満
男性:約2倍/女性:約3倍
肥満は高血圧・糖尿病・脂質異常症などを合併しやすく、結果として冠動脈疾患のリスクを高めることになります。特に内臓脂肪型肥満は要注意です。
●心筋梗塞とは
心筋梗塞とは、心臓を養う冠動脈が動脈硬化などにより急激に(突然)つまることで発症する病気です。血流が途絶えると心臓の筋肉(心筋)が壊死し、命に関わる状態となります。
現在の日本においても、急性心筋梗塞の30日死亡率は約10%前後と報告されており、決して過去の病気ではありません。
発症後の迅速な治療はもちろん、発症前からの予防とリスク管理が極めて重要です。

●急性心筋梗塞の症状
- 突然の強い胸の痛み・圧迫感
- 左肩・腕・あごの痛み(放散痛)
- 息切れ・冷や汗・吐き気・失神
- 糖尿病の方やご高齢な方は無症状のことも
●急性心筋梗塞の治療
できるだけ早く詰まった血管を開けることが命を守ります。カテーテル治療(ステント)が中心です。

●心筋梗塞のお薬
・血液サラサラにする薬(アスピリンなど)
・悪玉コレステロールを下げる薬(スタチンなど)
・心臓の働きを穏やかにし、心臓を守る薬(心保護薬)
が代表的な薬になります。
心筋梗塞の治療は、発作が治まった後からが本当のスタートです。お薬は、再発を防ぎ、心臓を守るための大切な治療となります。
例えば
心臓病がない(リスクあり)→ LDL 120 未満
狭心症 → LDL 70 未満
心筋梗塞後 → LDL 55 未満
となります。
2次予防については以前のコラムを参考にしてください。
(コラム “心臓病を防ぐ『一次予防』と『二次予防』” ‹ 木もれび循環器内科クリニック )
浜松市中央区下池川町にある木もれび循環器内科クリニック(循環器内科・内科)では、狭心症/心筋梗塞の診断・治療を受け付けております。どうぞお気軽にご相談ください。