木もれびコラム
~肺炎球菌の予防接種~(2026年度版)
● 肺炎球菌ってどんな菌?
肺炎球菌(はいえんきゅうきん)は、肺炎・中耳炎・髄膜炎などを引き起こす細菌です。特に高齢者では、肺炎だけでなく、細菌が血液や髄液などに侵入する「侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)」を引き起こすことがあります。IPDは菌血症や髄膜炎などの重篤な病気につながり、命にかかわることもあります。なお、成人の市中肺炎の約2~3割は肺炎球菌が原因とされています。
● ワクチンで予防
肺炎球菌感染症は、ワクチン接種によって発症や重症化のリスクを下げることが期待できます。現在、日本国内では成人向けにいくつかの肺炎球菌ワクチンが使用されています。
① PCV20(結合型ワクチン)/ 商品名:プレベナー20
2026年4月より、高齢者の定期接種ワクチンが従来の「PPSV23」から「PCV20」へ変更されました。
✔ 対象者:原則として65歳の方(※60~64歳で心臓・腎臓・呼吸器機能障害など一定の基準を満たす方も対象)
✔ 接種回数・方法:定期接種では1回(筋肉内接種)
✔ カバー力:20種類の血清型をカバーしており、成人の侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の原因となる血清型の約5~6割を占めるとされています。
※2026年度からは高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種はPCV20(プレベナー20)が基本となりました。
② PCV15(結合型ワクチン)/ 商品名:バクニュバンス
15種類の血清型をカバーする結合型ワクチンです。感染リスクの高い方などに使用されますが、現在は高齢者の定期接種対象ではありません。
③ PCV21(結合型ワクチン)/ 商品名:キャップバックス
2025年に承認・発売された、成人向けに新しく開発された21価の結合型ワクチンです。
✔ 21種類の肺炎球菌血清型をカバー
✔ 日本人成人の市中肺炎の原因となる肺炎球菌血清型の約72%、IPDの原因となる血清型の約80%に対応すると報告されています
✔ 原則として任意接種(自費)となります
④ PPSV23(莢膜多糖体ワクチン)/ 商品名:ニューモバックスNP
これまで高齢者の定期接種に使用されてきましたが、2026年4月から、高齢者の定期接種に使用するワクチンからは外れ、PCV20に変更されました。
※脾臓を摘出された(または摘出予定の)方など、一定の条件を満たす場合には、健康保険が適用されるケース(ニューモバックスNP)があります。
● なぜワクチン接種が大切なの?
肺炎球菌による感染症は、特に高齢者や基礎疾患のある方で重症化しやすい特徴があります。「肺炎になってから治療する」のではなく、お元気なうちから予防することが大切です。
● インフルエンザなど他の感染症との関係
インフルエンザなどのウイルス性呼吸器感染症にかかった後は、続いて細菌性肺炎を合併しやすくなります。そのため、高齢者の方はインフルエンザワクチンなども併せて接種し、重症化を防ぐことが推奨されています。
● まとめ:ワクチン接種は「元気なうちに」
✔ 肺炎球菌は、肺炎だけでなく菌血症や髄膜炎などの重篤な感染症を起こすことがあります。
✔ 2026年度から、高齢者の定期接種ワクチンはPCV20(プレベナー20)に変更されました。
✔ 定期接種の対象は、原則として「65歳の方」です。
肺炎球菌ワクチンの種類や過去の接種歴によって、適切なワクチンや接種時期が異なる場合がありますので、詳しくは当院までお気軽にご相談ください。
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